飛騨 甚
お鏡餅の後ろから
こっちを覗いてるものがいる
なんとなくおどおどしている
新任の神様かな
遠いお正月から
君がやって来る
「初詣に行こう」と
梅の小紋もそのままに
あなたが朝七時に
パンを買いに行ったから
この世界は
あなたが朝七時に
パンを買いに行った世界になったのです
炬燵の上にお猪口がふたつ
ハタハタが二匹に
さざえの壺焼きがよっつ
窓の外に粉雪も舞い散って
大計画を妻に語ってはいけない
彼女は必ず
獏にでもなれば と言うのだから
恋をすると
天使が見えるようになり
結婚すると
悪魔も見えるようになる
ダンゴムシは
あしたのことなんて考えないんでさぁ
だから
悩むことも落ち込むこともないんでさぁ
コーヒー入ったわよ
パン焼けたわよ
ハムエッグできたわよ
の日々
何もないテーブルに
朝日が射している
空耳がやってきて戸をたたく
四角い夜は
黒く 静まりかえって
雪
花は神の姿で大地に咲き
魚は神の姿で海に泳ぐ
鳥は神の姿で空を飛び
それでいて
彼らは神など信じることもない
これは願望が映る鏡でございます
こちらは欲望を織る糸でございます
私?
世間じゃ詐欺師って呼ばれたりしております
絵の具は全部で七色
それだけで描く人生
それがいいなぁ
うん それが一番いい
このバッグ
私には
ちょっとみすぼらしい気がするの
宜しかったらお使いになりません?
判断力がお粗末なところに
いくらいっぱい情報を放り込んだって
そりゃ大混乱するか
放心するに決まってまさぁ
昔から
看板娘って可愛いのが相場なんだが
これはいったい
どうしたこと
国って
わりと簡単に滅びますわよ
たった二人でも破綻するんですもの
寒椿一輪
君が
昔日の鏡台に向かって紅を引く
「ちょっとここに来て座ってちょうだい」
が積み重なって
男と女の寿命には
六年ほど差が出るような
盛り場の路地裏で
泣いているものがいる
頭に角がある
そうか
今日は節分か
当店の店員の半分は
後ろ向きのまま
尻でしゃべる芸当が
できるのでございます
「何か美味しいもの食べに行こうか」
まぁ、うれしいこと
で
いったい
何を悪いことしてきたの?
地平線が青く燃える
何やら
妖しいものが来るみたいだから
酒の用意でもしとこうかね
「おい すごい雪降ってきたぞ」
まぁ すごいわねぇ
「おまえ 見てから言えよ」
えっ?
私何か言った?
捨てて大変になるよりも
捨て損なって大変になるほうが
ずっと多いような
君を夢に見たいと
願っていたのであった
それほど好きであった
一緒になる前のことであった
命は水に在って地球を巡り
たまに
形に宿って
歩いてみたり
咲いてみたり
考えてみたりする
健気さって
浮気封じの特効薬ですわよ
奥さんも試してごらんになれば
猫が主人を飼うように
女房は亭主を飼うのでございます
ギンナンが入っていない茶碗蒸し
うずら玉子が入っていない八宝菜
落胆について
考えたこともないお店
みんながもらってるのに
ぼくだけもらえなかった
たぶん三歳
別にそれが欲しいわけでもなかったのだが
あなたって最低!
と言われたことがない男は
はたして世界に
どれほどいるだろうか?
来てるかな
まだ来てないかな
ひとつだけ先に
咲いてみる
人類って
せいぜい人類ほどの知恵しか
持ってないんでさぁ
空の彼方から
梅が香る
行ってしまった子供たちが駆け回るたび
光の帯が揺れ動く
あなた愛してるから
大っきなマンモス獲ってきてね
はいはーい
あなた愛してるから
いっぱいお金稼いできてね
はいはーい
自慢話をひとつすれば
滑稽が三つほど顔を出す
女性たちが
わずかに薄着になって
うん
なかなかいいな
この日頃
いつになく町が華やいで
あっちの窓こっちの窓
桃の精なんかも出入りすれば
器量はさておきの
三月三日
ちょっとこれ味見してくれない
まぁ変な味 何?
殺傷力三千人っていうお薬
ネットに出てたの
野良ねこたちが道に出て
恋を交わし合うから
町はいよいよ春なのだ
女はね
百人の女の中から
たった一人の敵を
嗅ぎ分けられるものなのよ
おい 見てみろよ
生身の人間が殺し合ってるぞ
ほんとだ
絶滅危惧種のくせに
なんて馬鹿なんだ
メロンやイチゴやパイナップルや
いろんなのが入ってるから
キャンディボックスは楽しいんでさぁ
聖なる者とやらのメッセージは
“上から目線”でやってくる
カボチャもジャガイモも
なんだか可愛く見えてきて
ママの奴、さては毒を盛ったな
の深夜二時であった
時空の歪がどうとか
パラレルワールドがこうとか
おまえ
もしかして浮気でもしてるのか?
人っていうのは
穴があると覗いてみたり
何か入れてみたりするようでございます
大変な目に合うことも
けっこうあるようでございます
いいところもいっぱいあったよな
居酒屋でひとりつぶやく男
いいところなんてひとつもなかったわ
ワインバーでふたり笑い合う女
沈丁花の香りの中で
約束をしてはならない
そこで起こることは
すべて現実ではないのだから
盃に満たした銀の酒に
ひとひらの花びらを浮かべて遊ぶ夜
いいなぁ
この一日に何も言うことはない
種を蒔く者が
天地を讃えているとき
実りを搾取しようとする者が
我を讃えよとやってくる
だから止しなさいって言ったでしょ
世界中に
ゴミ ばら撒いちゃたじゃないの
私
よく男みたいな性格だって言われるの
そんな性格
男だったら許されるもんかね
君が
ぼくに顔を近づけて
そっと目をつむった 春
家に帰ると
ごはんは残されていなかった
その代り
洗いものが残されていた
一日は平穏に過ぎたようであった
頭が暇じゃなきゃ
人生が何たるかなんて
考えたりしないもんなんでさぁ
ある者は
妖精をハエだと言って追い払い
ある者は
ハエを妖精だと言って崇め祀る
生まれた時は
誰でも空っぽの袋なのでございます
馬鹿を詰めて生きようが
利口を詰めて生きようが
死ぬ時は
たいして変わらないようなのでございます
そこそこに呆けが進行して
やっと善人の仲間入り
壺に封じ込めてあったってのは
これか?
違う
そっちはUFOから出てきた奴
夜桜に朧月とくりゃ
酌をしてくれる女は
この世のものではなかろうに
爛漫の桜に棲む少女を
さて今宵
なんといたそうか
私
地球に来るまで
宇宙人って
頭でっかちで背が小っちゃくて
目が吊り上がってるんだと思ってましたわ
あなたが生まれ
少女になり
大人になって死んだ後にも
スミレは咲く
夕方から霧が出て
酒場のひしめく裏通りでは
三々五々
みんな頭が壊れて
とっても楽しそう
桜見るも八十回
三万日ほど生きて死ぬ
真理を知りたきゃ
ダンゴムシに教えてもらいなせぇ
間違っても
大学教授なんぞに訊くんじゃねぇよ
忘れまいとして三年
忘れようとして五年
変わらぬままのこの道に
変わらぬままにタンポポが咲く
うどんって
一度伸びたら
もう元には戻りませんわ
誰にも言えない夢を見て
ああ
なんて切なくてリアル
ほら、きれいなお花だよ
ほら、素敵なお洋服
ほら、超人気のゲームだよ
ほら、君の大好きなハンバーガー
空に見えない鯉のぼりが泳いでる
有識者会議が開かれて
なんだか愚かさ倍増
あなたが面食いだってことは
よくわかりますわ
美的感覚が
少々 変わってらっしゃることも
あの町へ行く人と
この町へ来る人が
夢の半ばあたりですれ違う
神様やご先祖様や
いろんなものが
うじゃうじゃしてるところへ
宗教なんぞ持って来たって
そりゃ無理
赤と黄色と白さえ有れば
人生は
バラ色に塗れるわよ
未来の設計図に従って
せっせと過去を建設しつづけるのが
現在ってもんでさぁ
禍の種は
ある日
突然
簡易書留でやってくる
別れがこんなに悲しいなんて
あなたともう会えないなんて・・・
とりあえず
カップ麺でも食べよ
まだほかに
なにかほしいのですかと
初夏の風
脳科学と遺伝子工学に
倫理と宗教を混ぜて
コンピューター処理すると
ほら
なんだか怖いモノができた
誰にもバレないようにしましたか
口止めは完璧ですか
根回しもしっかりできてますか
では、そのまま次の世代に送りましょう
流れに乗ってるって
それ もしかして
流されてるんじゃないのか
十六夜の月から吹く風の
すぐ後を追いかけていったもの
ジャスミンの香りが立ち込めて
何?
彼女への愛を貫いたからではない
懲りたのである
予知能力とか
宇宙からの啓示とか
特別なものは何もないのだが
なんとなく真理ってものが
わかるような気が
蛍ってきれい・・・
浴衣のおまえが
そう言って振り向いた 夏
あなたにご紹介いただいた方
ホントに公明正大な方でしたわ
割り勘で
1782円ずつですって
ひとなみに
ひとには言えぬこともする
なんとかを唱えなさいが帰ったら
かんとかを受け入れなさいがやって来た
窓際で
時計草が苦笑していた
誰か想定外ボタンに触ったでしょ
お隣さんぶっ飛んじゃったじゃないの
予言書には
謎の数字が入っているのでございます
読み継がれるための
仕掛けなのでございます
さて
人類の滅亡は
8286から始まるのでございます
猫と飲みて
猫の世界に遊び
月と飲みて
月の世界に遊ぶ
心配しなさんな
今 生きてるってことは
大ピンチが
みんなどうにかなってきたってことじゃねぇか
先生しかしたことない奴に
人生相談するなんて
おまえ
気でも違ったのか?
紫陽花の
青に紅さす
恋心
えらいことになる奴ってのは
しょっちゅう
えらいことになるようでございます
描き終えた時に絵は死ぬと
画家は言った
弾き終えた時に音楽は始まると
ピアニストは言った
なんか食べる?と
ホステスは二人に訊いた
人になった夢を見て汗びっしょり
ああ良かったぁ
カエルのままだ
聖なる者どうしの戦いほど
たちが悪いものはない
今、言えなきゃ
三年たっても言えるものかね
ほら早く言っちゃいなさいよと
月も照る
梅雨 早く明けたらいいな
ベッドでぽつんと
君はつぶやいたっけ
こうあらねばならないと思ったとき
人は
あまり幸せじゃない方に向かって
一歩を踏み出すのです
通り過ぎるバスの窓に
なつかしい影を見る
乗っているはずのない娘
梅雨明けの雲間から
すりガラスみたいな日も差して
有効成分がどうとか
原産地がこうとか
ごちゃごちゃ言ってないで
早く食べちゃいなさい
トマト
鬱々する時にゃ
外に出て
ダンゴムシに挨拶して来なせぇ
苦行 三十五年
下山した聖者であったが
「む」としか言わないのであった
深遠すぎる悟りに至ったようであった
七夕の道の行き暮れて
妖しい夜風も吹くとなりゃ
このあと
何んにもないほうがおかしいってもんだ
女が両手で顔を覆っているとき
その七割くらいは
涙じゃなくてベロを出している
あなたっていつもそうじゃない
あの時はああだったし
この時はこうだったし
・・・あの
俺ってこんな奴だよって言わなかったっけ?
人類が
発展し続けなきゃならないなんて
いったい
誰がそんなこと決めたんだ?
ベッドに
夥しい水色の鱗粉が残っている
なるほど
きのう窓から覗いていた揚羽蝶であったか
この発毛剤
満月の光を浴びるのと同んなじくらい
効果があるんですって
始まりも無ければ終わりも無い
内側も無ければ外側も無い
真理は
獏が食べてしまった夢の中
アンドロメダまで
二百三十万光年
涙を拭いたら
いち・にの・ホイ!
変らぬものなど
何ひとつ無いとな?
ならば
その言葉も
いずれ変わると申し上げて
良いのであろうな?
まぁ、かわいいわねぇ
何作ってるの?
「さつじんろぼっと」
花が終わり花が咲いて
今日ひと日
生き死にさえも
まことに良きかな
深夜
部屋の隅に
妖怪が現れるのは普通ですが
人が現れるのは異常です
逃げましょう
素敵なあなたには赤いバラ
素敵なあなたにはエメラルド
素敵なあなたにはイカの足
ほら言わんこっちゃない
馬鹿に教育を任せてるから
馬鹿より始末が悪いのが
いっぱいできてるじゃないの
ふくれっ面をしていたおまえが
ふいに
見て!虹!
と空を指さした八月
俺は女を泣かせたことなど
一度もない
女が俺に泣いてみせたことは
何度もある
一日の出来事なんて
大抵は
ビール一杯で帳尻が合うもんなんでさぁ
すごい方たちとお知り合いなのね
とっても頼りにされておられるのね
議員さんまで動かす力をお持ちなのね
えっ?
私は謙虚な人が好き
強固な団結のためには
共通の敵を作るのが一番です
だから指導者は
わざわざ
敵をでっち上げてみたりするのです
暑いねぇ
もっと暑くしてあげましょうと
蝉が鳴く
君が
僕を愛していたから
八月の白鳥は
夜空いっぱいに翼を広げていたのだ
それは
海にいるときイルカのようであり
ベッドにいるとき薔薇のようであり
黙っているときは天使のようであった
百日紅の下に
長くいてはならない
悟るより惚ける率のほうが
ずっと高いのだから
何でもかんでも
裁きたがるっていうのは
自惚れの末期症状ですわよ
ご先祖様が勢揃いしてみりゃ
なんとまぁ
皆さま大酒飲みばかりでいらっしゃること
遺伝子の為せる業に改めて感無量の
八月お盆
ひとつ与えると ひとつしかできない
みっつ与えると ふたつしかできない
いつつ与えると ひとつもできない
空いっぱいに咲いた花火
手をつなごうとしたら
君はグーをしていたっけ
女は
本能的に男を虐げるのでございます
男が
外でどんなひどい目に遭っても
耐えられるように
免疫を付けているのでございます
あんた~
わらわが怖ろしゅうはないのかえ~
「うるさいわい!」
名刺に肩書きが増えるほど
信用が
どんどん無くなっていくような
満月の下で
髪を梳かしている女がいる
色は白く 目は切れ長で唇は真っ赤
こりゃあ
どうやら人じゃない
科学にできることなんて
せいぜい神のメカニズムを観察して
真似てみることぐらいなんでさぁ
蝉ひとつ落ちて在り
落日
命が形に宿って
三十八億年
真偽はともかく
ずいぶん難儀なものに
進化したもんだねぇ
海まで遠いの?
車で三十分
おまえは泣いているのだ
肩に
さよならみたいな夜風が吹いて
冗談じゃないわよ
いくら十万分の一だからって
誰かがそのクジ引いたら
全滅じゃないの
瑠璃の杯に銀の酒を満たし
金の三日月を召して呑むならば
なんて贅沢な今宵
「私、今夜ひとりなの」
それで?
「家でごはんいっしょに・・」
まぁ ごはんだけなら・・
金を掛けようが
命を懸けようが
最初のボタンを掛け違ってると
後々どうにもなりませんぜ
女ってね
嫌悪を
ニオイとして感じるのよ
テラスの花を見てたら
いきなりカーテンが引かれたのであった
なるほど
かなり怪しい俺なのであった
ご親切は嬉しいですけど
傘ってたいてい一人用ですわ
今度のは
最強の兵器でございます
敵の領土を
花で埋め尽くすのでございます
最終戦争用でございます
おたふく風邪と
飲み屋の女からの洗礼は
早いうちに済ませておいたほうがいい
銀河をつないで
へのへのもへじ
お猪口の神様と
徳利の神様が言い争っている
ウィスキーの神様は
知らん顔を決め込んでいる
丑の刻って
なかなか面白いじゃないか
あなたが軽蔑してる人
あなたにそっくりよ
ダンゴムシに教えてやれることは
何もない
ダンゴムシが教えてくれることは
山ほどある
「あなた素敵よ」
いったい何をしでかしたんだ?
「そうじゃなくて・・・」
じゃぁいったい何が欲しいんだ?
人間ってのは
天地が見る夢に登場して
わけもわからず
右往左往してから
退場していくのでございます
今夜のお客様は
シリウスの方だから
魚料理はタブーですわよ
それから
ねこちゃん入ってこないように気をつけてね
今日のアナタの運勢は
ことごとく占いが外れる一日となるでしょう
誇りが低下すると
周りを非難するようになり
統率力が低下すると
周りを威嚇するようになる
この本
おめでたい人にぴったりなの
奥様も是非お読みなさいよ
赤い鳥が赤いのは
赤い実を食べたから
あなたが高慢ちきなのは
高慢ちきの実を食べたから?
街には
おっぱいとかお尻とか
まぁ
いろいろやっかいなもんが
布に包まれて行き来してるもんでして
満月の光で醸した酒には
本能を呼び覚ます作用が
あるのでございます
二人で飲むと
本能が溶け合う副作用も
あるのでございます
選択の基準って
多すぎてはいけませんわ
女を選ぶときは
ひとつだけにしとくのがいいですわよ
大丈夫
抱っこしてあげるねと
雨が降っている
悪いことしたら
ちゃんと謝らなきゃ駄目じゃないの!
「ごちそうさまでしたあっ」
太古の神々がゆっくりと天空を巡っている
その間を
ときおり流星が通過する
宇宙の真ん中あたり
悠久の糸車で
真理を紡いでいるのは誰?
あっ 悲劇だったんですか
喜劇かと思って
笑ってました
さて
夜も更けたから
ここらで一杯やろう
一日の終わりに
チョコレートもあったりして
時間が早く経つようになるわけでは
ないのです
行動がだんだん鈍くなるのです
相対性理論なんて小賢しい論文も
あるのです
雨が降り
露草がしおれて
晩秋
人の注意力なんてそんなものなのよ
過ち犯すのが当たり前なのよ
だから
完璧に管理しなきゃならないようなもの
作っちゃ駄目なのよ
「あなたってほんとに凄い方ね」
・・って言えばご満悦?
子どもから
一番好きなことを取り上げてはならない
それはどんな不幸でも回避できる
生涯の砦になるのだから
ね 私たち
これから
ずっといっしょにご飯食べようか
と 君は笑ったのであった
こちらなんかいかがでしょう?
どんな体型の方にでも
フィットするデザインとなっておりますが
特別な能力が花開くこともなさそうだし
とりあえず
イカなんぞ炙って一杯やろ
俺
ボケ防止に
書道でもやろうと思うんだが・・
さっきもそんなこと言って
道具持ってったわよ
それからそれは
そのようになり
あれからあれが
あのようになったところをみると
これからこれは
このようになるに違いない
なんのこれしき
女房の日頃の仕打ちに比べれば
夜船に乗りて参りましょう
愛しいお方の枕辺へ
いえいえ
今宵はなりませぬ
あまりに眩き月なれば
夢とうつつが溶け合わぬ
人の群れってのは
大きくなるほど
馬鹿になっていくもんなんでさぁ
狐町から狸町
狸町から貉町
さんざん飲み歩いて
あぶないねぇ
猫町に迷い込んだら
行方知れずになったわよ
未来が見えるメガネってのを掛けてみると
からっぽが広がっているだけであった
なるほど
画期的な発明品なのであった
「私と彼女とどっちが大事なのよ」
うーん、窮地に追い込まないほう
水割りを作る君が
ふと手を止めて
熊はもう眠ったかしらと言う
君は
北国の娘だったのか…
国境の無い国がいくつもね
カルトもいっぱいね
法整備がまるっきりね
誹謗中傷の掃き溜めに
子供たちが無防備のまま出入りする
にゃんにゃんは
ふにふにで
ああもしてこうもして
いいなぁ
ニワトリがミミズを食べると
ミミズはニワトリになり
あなたがニワトリを食べると
ニワトリはあなたになる
どうされましたか?
うふふ 先生当ててごらん
・・・先に注射しますよ
気にするな
おまえが悪いんじゃない
そうよ!
あなたが全部悪いんだわ
ドラマはエンドマークの後に始まり
シンフォニーはフィナーレの後に始まる
命の仕組が解き明かされるたび
創造の神の存在は
ますます現実味を帯びてくるのです
女であったものたちが
狐や狸に戻って巣穴に帰っていく
よれよれの男らに憐みの目をくれて
あしたも
幸せに化かしてやるわいなぁ
それはポチのジャーキー
お父さんのは
ジャーキー味のほうでしょ
涙の水脈は
ひとつに繋がってるようでございます
でなきゃ
地球の裏側の話に
涙が出るはずないじゃござんせんか
ぼく
これから殺処分ってところに行くんだよ
幸せになれたらいいなぁ
命ってのは
食べられながら
繋がっていくんでさぁ
だから
生き物の視力や聴力やスピードに
ちょっとだけ接点が用意されてるんでさぁ
クリスマスの夜更け
精霊が降りてくる気配がしたのだが
やって来たのは夜鳴き蕎麦屋であった
注文した
朝から晩までいいかげん
私ってホントに幸せね
権兵衛さんだって
生まれた時
飼葉桶に寝かされたって話ですぜ
東の村から
偉い先生も三人
お祝いに来たそうですぜ
人間ってのは
やたらと滑ったり転んだりするのが
好きな生き物のようでございます
徳利の中のほのかな陽だまりを
お猪口に移しながら
人生って奴と戯れる
暦が
あと何日あと何日とつぶやきはじめれば
とにもかくにも歳の瀬